miura-yaki 201703

 ズバリ「やきそば店」を名乗る新庄市北町の「三浦やきそば店」をある休日の昼に初訪問。
 「こんちわ」と入店すると、店で食べている人2人、持ち帰りの待ち客1人。
 品書きもシンプルで、お子様盛、並盛、中盛、大盛の4種。お子様の200円から100円刻みで500円までになっています。

 並よりも上で大盛よりも少ないであろう「中盛400円」を注文。店で食べていくかの問いがあり、Yesと答えて椅子に腰かけてできあがりを待ちます。
 ソースの香りが香ばしく立ち上がっており、厨房の鉄板からは当方の品をジュワジュワと焼く音が聞こえてきます。もうこれだけで、焼きそば屋に来た満足感が得られます。なぜだか子どもの頃が思い出され、自分もあれからずいぶん遠くまで歩いてきたのだなと感慨深かったり。

 運ばれてきたブツはご覧のとおり。
 紅生姜と小海老の赤が美しい。いずれも人工着色料のなせる業でしょうが、茶色一色の焼きそばにはこのぐらいの演出があってもいいと思う。

 わりと細めのストレート麺。量は今の自分にベストマッチで、足りなくはなく、もう少し食べたいなぁぐらいです。でも、これ以上だと口飽きもしてきそうだし、後がきつくなりそうですから。

 味は素朴。ソース焼きそばに何らかのデコレーションやプレミアム的なものを求めるほうがどうかしているわけで、これはこれでいいと確信できる味です。

 一般的な焼きそばに入る豚肉はなし。青海苔もなし。野菜も格別多くはありません。けれども、なんだかとてもうまい。不思議にうまい。なぜなのだろう?

 箸を使う右手が勝手に動き、あっという間に完食。いいなあ、焼きそば。
 今どき客単価400円では大変だろうなぁと思ったところ。
 しかし、テイクアウトの電話注文がバンバン入ってきます。それらは「並◯個と大盛◯個」とか、「1,500円分」とか。ははあ、これなら心配するほどでもないのかな。
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ryushang-takahata 201703

 久々に置賜地方に足を踏み入れ、高畠町の「龍上海高畠店」を初訪問してみました。
 そう、意外にも初訪問なのです。龍上海はこれまで赤湯本店、山大病院前支店、山形店、米沢店、栄町支店、宮内支店の6店を経験。龍上海で行っていないのは高畠店だけだなあと思っているうちに、取りこぼしてしまっていました。その後、東根、鶴岡にも系列店ができています。

 からみそラーメン大盛、850円。普通盛りの100円増しの価格です。
 どんぶりからして他店とは異なり、手づくり風の和風のもの。違うものですね。
 味も全体として龍上海だぞ!というトンガリ感が薄く、つまりは誰にでも食べやすく仕上がっているといってよさそう。その証拠にご近所の高齢者夫婦や小さい子供を連れた家族連れ客なども見受けます。

 スープは、飲む前の香りからしてすでに「龍上海」しており、久々に食べる者にとっては懐かしささえ覚えます。魚の脂が表面を覆っており、湯気が立ちません。
 一口めは懐に深い甘みを感じ、これってこの店独特だよなと。でもって、辛味噌を溶かすと強烈なニンニク風味がガツンと広がり、龍上海キター!という感じ。これこれ、この味ですよ。

 麺は、さほどの太さを感じないノーマルちょい太ぐらいのもので、自家製感のあるピロピロを軽くもんだもの。うまいんだよなあ。でも麺の個性も、他の龍上海系列店と比べれば薄いかもしれません。
 チャーシューは薄いけど、大きく柔らかくてジューシーなものが2枚。画像ではわかりづらいですが、メンマは辛味噌の下にザクザクと。浅茹でのキャベツはさほど多くはありません。

 ああそうだ、赤湯ラーメンにはたいてい入る青海苔がなかったような気がするな。
 結論としては、やや優しめの「龍」といったところ。本流から少しだけはずれて独自色を発揮している店だと思います。
fukusouan 201703

 鶴岡市の旧羽黒町川代、「漬物の里」に併設された福湊庵を8か月ぶりに訪問。3月末まで使える「MyBloom」活用の20食目です。

 肉うどん、通常850円のところ540円。前回はそばを食べたので、今回はうどんをチョイスしてみました。いや、庄内の「豚肉」でというなら「うどん」に決まっているといっていいのではないかな。

 いやはや充実のトッピング。脂分を含み噛めばじゅわりとくる厚みのある豚肉が5枚、熱が通ってしんなりとし始めたネギが5切れ、きちんとそのものの味がするぐらいに厚切りのナルトが2つ、さらにはきつねが入り、せりが添えられています。立派といっていいでしょう。

 だしは、やさしい醤油味。凝った造りではありませんが、甘みが強めでおいしい。豚肉が脂がちである反面、つゆがあっさりしていて澄んでいるのがステキだと思う。

 うどん自体はノーマル。余目の「手打ちうどん鶴」のそれとまではいきませんが、弾力ある食感がうどんらしくていい出来だったと思います。

 福湊庵で特筆すべき点は、10種類ぐらいある漬物を自由に食べていいこと。今回も大根、カブ、山芋、わらび、茄子などの漬物を食べて注文品が届くのを待っていました。
 配膳まで20分近くはかかったと思いますが、これらたっぷりの漬物と熱いそば茶があるので、待つことは苦になりませんでした。

 うどんだけでもお得なのに、漬物までいただいて、これで満足できない奴なんているのだろうかと思うぐらいでした。
maruden 201703

 鶴岡市西新斎町にある「まる伝らぁめん」を初訪問。
 羽州浜街道と並行して走る1本北側の通りにあり、「うえの食堂」だったところを改装して2016年1月にこの店ができたようです。

 この地では多くない、豚骨ラーメン専門の店。自分は豚骨はいいのだけど、あの細麺ストレートがあまり食べた気にさせてくれないので、九州系はどちらかというと敬遠気味になっています。
 そうは言っても、一度は食べてみなきゃワカランからね。

 元気のいいお兄さんたちの経営で、入店すると右手の食券機で券をドウゾと。ほかにも○○が季節限定だとかおススメは△△だとか調理などをしながら叫んでいるのだけど、やみくもに早口でかつ別の方向を向いてしゃべっているので、客(ワタシですね)にはまったく伝わっていません。騒がしいだけでホスピタリティがなく、改善したほうがいいんじゃないかと思う。

 塩、醤油、味噌、熊本らーめんとある中から、あえて人気No.4のまる伝味噌豚骨らぁめん780円の太麺をチョイス。
 メニューによれば、「柑橘系が香る少し変わった味。他店にはない豚骨みそでクセになるスープ。細麵と太麺選べます」とのこと。
 そうそう、“とんこつ味噌”ってところに惹かれたワケですよ。

 太麺は、このあたりで食べる標準的な麺の形状をしており、味的にも地元製麺所のものかなと思われるもの。したがって違和感なくいただけてうれしいのですが、九州ラーメン狙いで来た人にとってはこれは違うだろと言われそう。

 その麺に絡むのが、ド迫力のこってりとろりとした豚骨スープ。濃厚で美味。そうは言っても臭みはほとんど消されているのでご安心。これまた九州通にはもの足りないのかもしれませんが。
 柑橘系? あまり感じませんでしたが。

 チャーシュー、海苔、ほうれん草、煮卵、ネギなどがトッピングされて、表面的にも華やかです。高菜とかキクラゲ、それにメンマは入らないのですね。

 しかし、麺が少なめ。替え玉100円を追加することを前提としているようなところがあり、そうすると値段設定は高めだなと感じます。
 細麺の替え玉を追加して2つの麵を楽しむべきなのでしょうが、今回はパスしました。細麺は今後に期待としましょう。
seikarou 201703

 新形町の「中華菜館盛華楼」を、2015年3月以来、再訪。
 2年前の1回目はたしか、4月を迎えようとする3月の最終日曜日、庄内での生活根拠となるアパートになんとか荷物を押し込み、疲れ切って山形に戻る前に寄ったのがここだったと思います。
 そのときの記事はこちらです。

 その記事にも書いたけど、「天山定食」というスペシャルメニューがずっと気になっていたので、今回まる2年ぶりに行ってみたところです。

 「天山定食」960円。
 価格はけっこうなものですが、それにふさわしい、いや、価格の上を行くくらいに充実したものです。
 なんてったってすごいのはメインディッシュ。菱形の皿に料理がてんこ盛りになっています。
 まず皿に卵焼きを盛り付けました。でもってその上に八宝菜風の野菜炒めをかけます。そして更に、シュウマイ、春巻、鶏の唐揚げをのっけて、そのサイドに千切りキャベツをぎゅぎゅっと嵌め込んで、マヨネーズをにゅるりとかけてみました。
 ――というつくりの、これでもか的な、バラエティに富みかつヘヴィなボリュームの定食になっています。

 八宝菜は肉、魚介類がふんだんに使われており、それ自体豪華だったのが印象的。
 これに中華スープ、搾菜と漬物、どんぶりめし。
 ああ、満腹。食べたかったんだ、中華料理。しかもいろいろなものを少しずつ。ん、全然「少し」じゃないけれども。

 これが千円しないクンロクなら安いと思う。
 2年前に食べた「豚肉の卵とじ御飯」750円は正直言えばややショボかった記憶があり、それと比べればこちらのほうがずっと価値ありデアルと断言してしまいましょう。
mokkedano 201703

 鶴岡市役所内で営業する「鶴岡もっけだのぉ食堂」から、奥田政行シェフとその弟子がプロデュースしたという「鶴けっちぁーの弁当」1,600円を注文して、食べてみました。

 制作テーマは、「過去を惜しみ 未来を想い 今に感謝。庄内の海・山・里を食べ尽くす。」
 3月下旬までの限定300個の販売だそう。
 値段もいいけど、内容も超豪華。ここまでの量と質のものを弁当で食べようという発想がなかったので、少し驚きました。

 以下、弁当の包装紙に書かれていた「おしながき」を引用。
 左上から右へと順に、次のとおり。

1 ウルイのおひたしとヤーコンのきんぴら
 春の息吹を感じるウルイを山胡桃のソースで、ヤーコンの甘味で「砂糖いらず」の新食感
2 鶴岡産根菜の煮物
 風味・彩り豊かに地産野菜の旨味に感謝
3 里芋とそぼろの炊き込みご飯
 鶴岡産「つや姫」と「もち米」のブレンド米で
4 雪菜のナムル風と鶏肉の豆富ロール
 カリウムやビタミンCが豊富な雪中で育てる在来野菜、旨味豊かな地鶏“ハーブ鶏”と豆富をテリヤキ風に
5 ヘルシー!揚げない“カツレツご飯”
 奥田シェフ考案の“口内調理”の逸品。余分な脂を落とした庄内豚のしゃぶしゃぶ肉とオリーブオイルでカリカリに炒めたパン粉を一緒に食べるとお口の中で「カツレツ」に!?
6 庄内豚の角煮と藤沢カブの甘酢漬け
 地産の高品質豚肉を赤ワイン・バルサミコ酢でトロトロに煮込んだ洋風の角煮、焼畑栽培で作られる幻の在来野菜を1本贅沢に添えて
7 寒鱈の味噌酒粕漬けご飯
 庄内地方では「寒」の時期の真鱈を「寒鱈」(カンダラ)と呼び「冬の日本海の恵み」を代表するお魚として親しまれています。寿司飯に今では希少な鶴岡産ササニシキを使用
8 イカのあさつきの辛子酢味噌和え、はりはり大根
 冬の郷土の味覚をオリジナルブレンドの酢味噌で、庄内の“行事食”紅芯大根を使用し「お正月の名残を惜しみつつ」
9 寒鱈のクリームコロッケ
 脂ののった旬の鱈の身と岩海苔を特製ベシャメルソースで「サクサク」「とろ~り」仕上げました。“寒鱈汁”をイメージした味噌ソースで

 ――どうです、充実の極みでしょ。
hori 201703

 酒田市宮海のR7街道沿いにある「麺家ほり」を初訪問。ずっと前からリストアップしていて、このたび2年越しでの入店となります。

 ワンタンメン800円。
 写真のとおり、秀逸な麺姿。おっとりしたところのある理知的な女性といった感じでしょうか。(コラ!)

 まずはスープをと啜ってみると、流行りのWスープなどとは違う、わりとシンプルな感じ。しかしそれでいて丁寧な出汁取りをしているなと感じ、優しげな味がします。
 少しだけコクを足したくなり、卓上のブラックペッパーを振って味を引き締めてみました。
 おいしい。街道沿いのラーメン屋の域を超えている味わいだと思います。

 手もみ自家製を謳う麺は、それほど強い自家製感はなく、したがって個性的なものにはなっていません。でも、特徴がないのになんだかうまいのだな。言うなれば、主張をしない、奥ゆかしさを備えた性格美人。(コラってば!)

 ラーメンから150円増しとなるワンタンは、色白で初々しい。(・・・。)
 ワンタンをてるてる坊主に例えれば、顔の部分に入る肉は固まり感がなく、皮に穴が開くと小さい具がスープに拡散してしまうタイプ。こういうのはカップのワンタンメンでお目にかかることがあるけど、店で食べたのは初めてかもしれません。
 でもって合羽の部分は、薄々で裾の長~いもの。薄いのでふわふわ。したがって、ワンタンを茹でる前の形のままで食べることは難しくなっています。

 具も秀逸で、2枚のチャーシューの厚みは5mm近い厚いものだし、新鮮な刻みネギが辛さを保っていて美味だし、メンマも標準タイプがたっぷりでした。

 想像していたものを数段上回る上出来のワンタンメンでした。拍手です。
kin-nishiki 201703

 酒田市上安町、ハローワーク酒田近くの路地にある「きんちゃんラーメン錦食堂」を初訪問。
 昔からの建物の小さいラーメン屋さんです。入店すると、いかにもラーメン屋らしい煮出したスープのいい香り。週末の訪問だったからか、開店直後の店内は静か。60代ぐらいの夫婦の切り盛りです。
 このあたりにはハローワークのほか警察署や国土交通省の工事事務所などがあるので、平日ならばそれなりに需要があるのでしょう。

 特製きんちゃん野菜ラーメン600円。
 おじさん、これで600円はないでしょ。
 そんなことを言ってしまったならば、真面目そうな店のオジサンは「すみません、それでは500円で結構です」とか言い出しそうな雰囲気です。(笑)
 いや、そうではなく、このつくりで600円は安すぎるぞ、と言いたいワケです。

 見てください、この具だくさんなトッピング。名前のとおり野菜がたっぷりなのに加え、味のついた挽肉、コーン、ワカメ、メンマ、それに煮卵まで入って表面びっしり。ネギ、ニラをぱらりと散らして、なかなかにゴージャスでしょう?
 感覚的には、他店ならば750~800円はするでしょう。ブルームに載っている一部の540円メニューよりも、こちらのほうがお得感があると思います。次回以降使える大盛り無料券まで付いているし。
 麺も手抜きがなく、少し寝かせて透明感が出てきているプリプリッとした弾力性の強い麺で、なかなかおいしゅうございました。
 具が多いので、スープが温くならなくする工夫が必要かもしれません。また、高望みすぎますが、これにチャーシューの一切れも入れば天下無敵でしょう。

 表通りに面していない路地にも、優れた店はあるものです。
kinudeya 201703

 鶴岡市本町の「絹出屋」を初訪問。
 同名の店は天童市にもあるのですが、何か関係があるのかもしれません。 
 天童のほうには2012年5月に訪問しており、その時は「カツ丼セット」を食べています。

 鶴岡のほうは、ラーメン類のほか定食類が豊富。アジフライ、メンチカツ、コロッケ、カキフライ、野菜炒めなどの定食が、700円から食べられます。さてどうしようかと顎をさすりながら厨房方面を見ると、玉子丼、親子丼、カレー、チャーハンなどのセットものの短冊が。そうかそうか、それではその中から「肉丼セット」850円をいってみようか。
 注文を訊きに来た店の親父さん、長考してしまって申し訳ない。何にするか決めるこの一瞬が大事なものですから。

 どういうものが来るのか楽しみに待っていたところ、レギュラーサイズの肉丼とラーメンのミニにおひたしと漬物のコンビネーションでした。

 ラーメンは、魚介系が強めの和風な味付け。魚出汁の油がスープの表面を覆っていてあまり湯気が立たないので、写真を撮るのに支障がありません。濃い醤油色をしていますがなかなかいい塩梅で、麺は細い手もみウェーヴ。チャーシュー、メンマ、ネギ、ナルトがしっかり入っています。

 どんぶりのほうは量がしっかり。甘辛い味付けで、気取りのない庶民的な印象があります。
 おひたしは胡麻油を使って香り高く仕上げていて、これも美味。

 いいんじゃないかな、この質と量で850円はいいセンいっていると思う。
 セットも定食も庶民の財布にやさしい適正価格だし、定食のラインナップにあるおかずを単品でも注文できるようです。コロッケ、メンチカツは300円、アジフライは350円、かつ煮、カキフライ、とんかつは500円。これらをつまみながら食堂でビールというのもいいんじゃないだろうか。
 店の近くの鶴岡市役所や商工会議所あたりに勤めていたとしたら、通うだろうな。
kobayashi 201703

 余目の「小林食堂」を初訪問。
 旧余目町の食事処はこの2年で眼中にあるほぼすべての店を巡っていますが、商店街にあるこの店は取りこぼしていました。理由は、繁華街にあって狭い区画の駐車場が3台分しかないこと、WEBで見られる画像では細麺を使っていること、かつて庄内の食に明るいある人がこの店についてあまりよく語っていなかったこと、などがあります。しかし、行かずには語るなかれ、そして自分で確かめてみなければナラヌということで、訪問に至ったというわけです。

 幸い駐車場は空いていたので頭から停めて入店。昼どきなのに客は不在。真ん中に8人ぐらいは掛けられる大テーブル、その周りに2人掛けテーブルが数卓、小上がり2卓の、昭和然とした回顧感たっぷりの店内。白髪頭の亭主に、その連れ合いにしては若い細面、メイク、ネイルばっちりの女将の二人での切り盛りのようです。

 メニュー短冊は定食、ラーメン、丼物など基本メニューがズラリ。
 あの細い麺ならばラーメン類はいかがなものかと考え、ココは焼きそばのメッカでもある余目だしと、焼きそば650円を選んでみたところ。

 麺の茹で、野菜の炒め、そして両者の合えと、ていねいな仕事ぶりがつくっている厨房から伝わってきます。運ばれたのは、注文してから15分近くかかったでしょうか。
 余目オーソドックスの後がけソースタイプ。卓上のブルドッグ中濃ソースをくるくるとかけ回せば、味にオリジナルも何もなく、フツーのソース焼きそばになります。

 麺は、予期どおりの細麺。ぼそぼそした食感はソース焼きそばで食べるならばベストマッチではないかとさえ思えます。まあやはり、これをかけ麺で食べるのはどうかという気がしますが。

 スープは、大きめの器にたっぷり。ラーメンスープに、中華そばトッピング用の4cm四方ぐらいの海苔が5~6枚と刻みネギが入っているもの。味は、やや雑みがありますが、これをうまいと評する人も結構多いのではないか、というぐらいの許容範囲で、むしろ斬新です。もしかしたら鶏や豚のガラの灰汁取りが甘いのかもしれません。

 全体量は、余目の店らしく、充実度が高いです。焼きそばは量が入る食べ物ですが、自分の場合、ここでは普通盛りで十分でした。
 鄙びた感じはするものの、悪くなかったですよ、「小林食堂」。
sousuke 201703

 3カ月ぶり3回目の訪問となる旧藤島町の「草介」。
 蕎麦屋なので、これまでに「タワー天丼と小板そばセット」、「小天ぷらと東根古代板そば」と食べてきましたが、前回とても気になった蕎麦屋の本格カレーを食べてみたいと思い、行ってみたところ。
 このブログに「カレーを食べにちょいと蕎麦屋へというのもまたオツというものではないか」、「こりゃあ正規の料金でもう一度は食べに行かなければならんなあ」(前回訪問時はブルーム割引を利用)と書いたことを忠実に履行したわけです。

 草介カレー・マーヴェリック、780円。
 おお、これが! 「異端者」を標榜するカレーではあるものの、むしろ本格派と言っていいのではないか。蕎麦屋で本格カレーの香りが嗅げるというアンバランス。サラダ付きです。

 店員さんが慎重にそろそろと運んできた訳は、深さのない皿にめいっぱい盛り付けたカレールーがゆるめなので、油断すると皿から流れ出てしまうため。白衣をまとった蕎麦屋の店員がカレーを運んでくる図というのもなかなか風流かもしれません。

 スープカレーの様相。これまで五目ラーメンの餡について述べてきたのと同様に、自分はカレーについてもとろみの強いほうが重量感があってお得のような気がして好きなので、ちょっぴり残念。味はいいのだけどなあ。

 カレーの量は多めで、ごはんにたっぷりルーをまとわせて食べ進んでもごはんが余るということはありません。ビーフの肉片が数個入っていますが、他の材料はすべて溶けてしまっています。
 ごはんは乾燥気味で、もう少し水っぽくてもいいと思う。訪問したのが閉店近い夕刻だったからかもしれません。
 サラダは生ハム入りで質感の高いものでした。

 おいしかった。しかし、あまり上品ではなくてもカレーもごはんもたっぷりの、ぽってりとした大衆食堂のカレーも食べたいと思った。おそらくはそちらのほうが自分には合っているのかもしれないなあ。
ajisai 201703

 3月の昼の時間帯に、庄内町余目の「あじ彩」を1年8カ月ぶりに、3回目の訪問をしました。
 町内では珍しい本格中華料理店を謳っており、人気店とあって満員。少し待っての着席となりました。

 前回は五目あんかけ焼きそばを食べたので、今回は汁ものの、店名を冠する旗艦メニューと思しき「あじ彩ラーメン」880円をいってみました。

 塩仕立ての五目あんかけラーメン。とろみの度合いは標準的もしくはやや強めといったところ。
 画像には写っていませんが、五目あんの海鮮系具材が極めて充実しています。
 白眉は牡蠣。ラーメンの具材にはそぐわないほどの大きな牡蠣が1個。牡蠣本来の風味がすばらしく、プリッとした食感がたまりません。
 ほかには、いずれも大きめのホタテ4、イカ3、海老2だったでしょうか。
 これらをあんの下にそっと隠しておくという奥ゆかしさは、余目人特有の性格の故なのでしょうか。(冗談です)
 これだけの具材が入って、余目らしい満点ボリュームであれば、高めの価格設定もうなずけようというもの。

 味はハイレベル。それでいて庶民的。量もあるし、申し分のない中華料理店といっていいと思います。
kashiwaya 201703

 山形から庄内へと向かう昼の時間帯、尾花沢市内に寄り道して、「柏屋」を初訪問。
 間口はそれほどでもありませんが中はかなり広く、メニューも豊富。客もひっきりなしにやってくる市内の人気店のようです。

 先客の何人かがたのんでいた「マーボー野菜メン」900円をチョイス。
 けっこういい値段だなあと思って待っていましたが、運ばれてきたものを見て納得。量、質ともに充実しています。
 大きなどんぶりにご覧のとおりたっぷりの量。ははあ、豆腐も野菜も入っていますね。
 あんの部分をまずキャベツの塊りから食べてみると、あひゃあ、熱っちい! こりゃあよくフーフーしてから口に入れないととんでもないことになるぞとほくそ笑む。そう、ラーメンは熱さが身上であり、ここに美学があるのだから。

 「あん」と表現したとおり、かけられたものには豆板醤、甜面醤、挽肉などは入っていず、したがって四川風の味付けではありません。五目ラーメンや中華丼の「かけもの」に唐辛子を効かせて辛みを付けたものです。
 そのあんは極めてとろみが強く、感覚としては県内最強のとろみを持つと認識している川西町の「大都嘉屋」の五目あんに勝るとも劣らないどろり感があります。とろみというよりもずっと、ぽってりとした感じがありますから。いいんじゃないですか、これ。

 豆腐は大ぶりにカットされたものがごろごろ。しかしむしろ秀逸なのは野菜のほうで、キャベツ、白菜を主として、モヤシ、ニンジン、青野菜、タマネギ、キクラゲ、シイタケ、タケノコなどで構成されています。イカやエビなどの魚介類は入りませんが、豚のバラ肉は分厚くて、噛むと豚肉の旨みがジュワッと出てくるようなスグレモノでした。
 麺もおいしいですが、この一杯の主役は完全にあんのほう。なので、コメントはなくてもいいでしょう。

 ミョウガをそのまま漬物にしたものは初めていただきましたが、これもイケました。
 いやぁ、もう満腹。汗タラタラ。いい店ですよ、ここも。すぐにでも再訪したいと思うくらいに。家からもアパートからも遠いのが難点ではあるが。
 ミニラーメンとミニかつ丼のセットが930円で、これを両方ともミニではなくフルにしたものがわずか50円アップの980円なのだそう。それなんかにも興味が湧いたぞ。(そんなに食べられないでしょうよ)
rinda-tawara 201703

 最上郡真室川町大字新町にある「リンダ俵」を初訪問。
 インパクトがあって謎めいているでしょ、この店名。WEB上では「リンダ・俵」、「俵リンダ」、「ニューリンダ」などとしても紹介されているようです。
 なので、なぜに「リンダ俵」なのかを確認しに行かなければなるまいと思い当たり、また、ランチタイムがいいぞという情報もあったので、庄内から山形へと向かう途中に大きく遠回りして行ってみました。

 ひとつの建物に「和風俵」とパブスナックの「ニューリンダ」の2つの店が同居している形になっており、それぞれ入り口は別ですが経営者は同じなのかもしれません。
 で、外看板には「リンダ」と「俵」が続けて記載されており、建物の2階には「俵 リンダ」と書かれた横看板。
 つまりはいわゆるそういうことで、この建物を訪れる人によって店名の印象が変わる、いや多くの人が混乱している、ということなのではないか。

 謎が解けてひと安心。しかし、洋食のランチタイムはどっち? 訪れた正午近くの時間帯、「パブスナック ニューリンダ」のほうにだけ小さな「営業中」の札が出ていたので、スナックなのにこっちでいいのかなあと首をかしげつつ入ってみます。
 するとそこは、バーカウンターと、フロアには緋色のソファがずらり並んでいて、「あ、おれ、入るトコ間違ったかな?!」というのが第一印象。
 店にいた妙齢の女性(おばさん)から「いらっしゃいませ」と声がかかり、いちおう「ランチ、いいですよね」と確認を入れて、ウイスキーの水割りがふさわしいと思われる応接セット様のテーブル席に納まりました。運ばれてきた熱いお茶。よしよし、紛れもなく食堂だ。

 デミカツランチ800円。日曜祭日を除く11時半から13時半までは、ハンバーグもカツカレーもこの価格のようです。食事とともにお冷やもサーヴ。

 噂に違わず立派。
 メインディッシュは、揚げたてのとんかつに自慢の自家製デミグラスソースがたっぷり。カツはかなり上質で、この価格帯で食べるものとしては極めて優れていたと思います。さっくりとした食感もよく、うれしいばかりです。
 付け合わせのサラダも水菜や紫タマネギなどが配されて彩りも豊か、ドレッシングも上出来のフレンチ。

 小鉢類もすごい。さつま揚げや打ち豆が入った山菜の油いためは美味だし、漬物はキュウリ2種と白菜、味の濃いおかずでごはんをしっかり食べていってねと言わんばかりの切り昆布、そしてデザートのチョコレートケーキ。ケーキは季節によってはフルーツになるのでしょう。

 ごはんは、おかわりもできますということでしたが、この量であれば自分には十分。
 みそ汁は、大根と豆腐の具だくさん仕立てでした。

 味、量、価格のいずれをとっても申し分ないんじゃないかな。遠回りして来た甲斐があるというもの。
 大人の夜の社交場のような雰囲気さえ気にしなければサイコーのランチが食べられると思います。もちろんおれは気にしない。(笑)
tsubame 201703

 鶴岡市大塚町、羽越線が目の前にあるという立地の「らーめんつばめ」を初訪問。2016年2月開店だそうです。

 みそらーめん700円。
 このスープ、美味です。白味噌が強めの合わせ味噌? 少し小麦粉か何かでとろみがつけられているようで、あっちち。身体が温まります。というよりも、口が火傷しそうです。
 まろやかな味がよく、800円の辛味噌ラーメンよりも、こちらのノーマル味噌ラーに卓上の七味を多めにかけて食べたほうがうまいのではないかと思います。

 強めに火を通された野菜。サッポロ系のように煮出してあります。タマネギがいい仕事をしています。チャーシューもしっかり。
 麺は、サッポロ味噌にしっくりくる多加水中太のウェーヴですが、本場のような黄色味は敢えて演出していない模様。もっちりした食感は秀逸です。

 量的にやや足りないような気がしたので、メンマドン80円を追加。それってメンマがドン!と皿に盛られて登場するのかというとさにあらず。小ライスにメンマが数本と白髪ネギがのってくるというものです。
 コイツにうっすらと卓上のラー油をたらしてぱくぱく。メンマの塩味だけなのでごはんが余る。それは計算ずくで、残ったご飯にレンゲでおいしい味噌スープを数回かければ最高のおじやに。それをはくはくと啜ればこりゃシアワセではないか。

 ああ、うまかった。
 店は明るい感じがするし、フロア担当のお姉さんは笑顔がよくてやさしいし、店内のポップもいろいろと凝ったところがあってユニークで、いい店ではないか。
 ラーメンの種類はもちろん、サイドメニューがいろいろあるので、リピーターは多いのではないかと思われます。
 「金太郎寿し」といえば、当地庄内はもちろん、内陸地方でも広く人口に膾炙した庄内随一の人気回転寿司店。でもそれは城南店のほうが有名で、西新斎町の羽州浜街道沿いにある新斎店のほうはそれほどでもありません。
 その新斎店の近くに用事があったので、夜の部の開店直後、つまりは17時過ぎ頃にふらりと入ってみました。

 食べたのは、まずは庄内らしく白身のヒラメ、カナガシラ。

kintaro-shinsai1 201703

 続いては、内陸ではなかなかメニューに登場することがない牡蠣軍艦と、本マグロの赤身。

kintaro-shinsai2 201703

 フィニッシュには、これも初めてお目にかかる穴子軍艦と、光り物もいいなとアジ。

kintaro-shinsai3 201703

 いずれも美味。シャリが大きくないので、全12貫でしたが腹に無理なく食べられました。
 海苔が好きなので、いつもはついつい軍艦巻系が多くなるのですが、今回は4貫にとどめました。
 牡蠣軍艦がおいしかった。勘定をする頃には真っ先に完売になっていました。

 260×5+130×1=1,430円。
 寿司はいいな。オトナの食べ物という感じがする。混んでいない時間帯に一人で店に入り、ちょちょいとつまんでさっ帰るというのはなかなか粋なものだと思う。そういうオトナの作法は居酒屋クローリングをするときも同様だ。
 一人回転寿司には今後ハマりそうな予感がしています。
seki 201703

 食堂の宝庫、庄内町余目で未訪の店探求し、ある日の昼休み、「蕎麦工房せき」に行ってきました。
 仕事場から車で15分、食べる時間がだいたい10分。だとすれば、調理時間には20分みておけば大丈夫だろうと踏んでのダイナマイトツアーです。さて、首尾は・・・。

 庄内地方で板そばを食べるのは、この前鶴岡市藤島の「手打ちそば草介」で食べて以来。庄内でそばというイメージは自分には薄く、このブログを遡ってみると「草介」のほかに「福湊庵」、「生石大松家」、「麺工房無量庵」、「羽黒のそば蔵金沢屋」、「麺処鵬匠」、「茂一そば」、「田麦荘ななかまど亭」で食したのみとなっていました。

 「せき」では、板そば+ゲソ天、900+200円を。蕎麦は高いんだよなぁ。
 大衆食堂でやるように、入店してメニュー短冊を眺め、注文する品を厨房の主人に伝えてから席に着こうとすると、主人は「お茶、出しますから」と一言。
 一瞬何を言っているのか意味がつかめませんでしたが、つまりは「まず席に着け」ということのよう。
 蕎麦屋とは大衆食堂の流儀が通用しないものなのだろうか。いや、そんなことはないだろう、たまたまこの店の流儀がそういうものだというだけのことではないか。

 ナルホドと席に着いて、女将が茶を運んでくるまでおよそ3分。自分の直前に入店した客と長話をしているから遅くなる。そしてようやく「何にしましょう?」と。おいってば。さっき伝えたでしょう。これからつくるの?
 でもって、「ゲソ天は時間がかかりますよ」と。どの程度かかるのか確認すると、5分ぐらい余計にかかるだけですというので、オーダーを変えずに待つことにします。
 しかし、待てど暮らせど注文品は来ず。そしてようやく、20分ぐらい経ってお待ちどうと。
 ああ、もう。先の計算でいくと食べるのに充てられる時間は5分ぐらいしかないぞ。

 これでは味も何もあったものではありません。急いで食べて急いで去る、それだけ。
 そば屋ってのは一般的に言って、こういう店に出くわす頻度が高いです。「こういう店」というのは、「食べに来てくれてもっけだの」ではなく、「なんなら食べさせてやってもいいんだよ」というような、売り手市場的な店のこと。こういうことは蕎麦屋以外ではごく一部のラーメン店にはありそうだけど、大衆食堂ではありえません。客本位が徹底していますから。
 店を始めてから16年ぐらい経っているとかいうことが先客との長話で聞こえてきたけど、老後の楽しみでやっている店に当たってしまったのかなぁという感じでした。

 結局、職場リターンは急ぎに急いだものの、13時2分着と遅刻。
 見栄えもよく、量もあり、10割そばの石臼挽きでそれなりにおいしいとは思いますが、再訪はありません。おいしい蕎麦は、内陸にたくさんある、てきぱきとした客本位の蕎麦店で食べることにします。
whitehouse 201703

 平日の昼食時、庄内町余目の「ホワイトハウス」を1年ぶりに再訪。
 「Coffee&パブレストラン」の冠がついていますが、ここはランチタイムの定食が有名で、10種類の定食をそれぞれ700円で食べることができるのです。
 ちなみに、外看板には「定食660円」と出ていますが、今は値上げしていますからご留意を。(はやく替えてね。)

 前回は味噌焼き肉定食を食べたので、今回はハンバーグ定食にしてみました。
 高級感があるとか味のオリジナリティが高いとかいうわけではなく、むしろフツー感たっぷりのデキです。しかし、それぞれのボリュームが立派で、定食屋としても一流と言っていいハイレベルの域に達しています。
 庄内町で定食を食べるなら、ここがいちばんだと思う。

 ハンバーグが焼き立てででかい、マッシュルームの入ったデミグラスソースがうまい、手切りの千切りキャベツが泣かせる、熱い麩の味噌汁が丸みのある器にたっぷりで飲み甲斐あり、そしてごはんがやたらと多い。
 若い男性にはジャストフィットのボリュームでしょうが、女性軍やいい歳をした男性には多少ヘビーかもしれません。で、多ければ残せばいいのだろうけど、おいしいためにぱくぱく食べてしまうので、あとがコワイのですよ。(笑)
 ほかにはスパゲティサラダにタクアン2枚。

 前回とはうって変わって今回は空いていて、一人客でも「はい、カウンターへ」とはならず「お好きな席へドウゾ」と。こういうユルイ接客が大好きだ。写真を撮るので比較的光量のありそうな4人掛けを確保し、独占してゆるりと。
 ああ満足。今日もたくさん食べてしまったなあ。
saika-ohmiya 201702

 酒田市大宮町の「中華料理彩華」を初訪問。「since1971」だそうで、つまりは店を開いてから46年目ということらしいです。
 なお、同じ読みの「サイカ」でも、先に赴いた同市北新橋の「中国料理菜花」や駅東の「斉華」とはもちろん別の店です。
 夕食には少し早い夕刻の時間帯、客は終始自分だけの貸し切り状態。かつてはこういうのは居心地がよくないと思ったものだけど、この頃はこの静かな店内に身を置いて寛いでいる自分がいます。ずいぶん図々しくなったものです。

 広東メン600円。ん、600円?! そりゃ安いでしょう。今どきラーメンだって650円はするぞ。店のメニューの中でもこれが特に安い設定のように思います。
 そんなわけで、どういうものが運ばれてくるのか興味津々で待ちましたが、・・・上等ですよ、コレ。

 しっかり広東麺しているし、プリリとしたむき海老が2個入っているし、豚肉も多め。
 その豚肉は定番のバラ肉ではなく、油気のないパサリとした赤身、というよりもホルモン系に振れている部位のようです。何らかのこだわりをもって意図的にこの種の肉を使っているのだろうと思量しますが、個人的には食べ慣れているバラ肉のほうが好きかもしれません。

 五目あんは、スープの色よりも若干白っぽい色で整えられており、いい感じのとろみ具合です。
 手づくりにこだわっている店のようで、麺も寝かせて透明感を湛えた、間違いなく自家製麺。手づくり感があるために少し短くちぎれ気味ですが、おいしいのでレンゲを除けどんぶりを持ってスープとともに完食です。

 いやあ、酒田。
 酒田ラーメンもいいし、酒田の洋食もいい。居酒屋もいい魚料理を出すし安くて量が多い。それらに加えて、中華料理店だっていいところが多いと思う。ココ「彩華」もそのひとつだ。

tenka 201702

 鶴岡市本町の「天花食堂」を初訪問。
 商店街の一角にある小さくて古い町食堂。ドアを開けると、客のいない店内でテレビを見ていた老夫婦が「いらっしゃい」と迎えてくれました。
 第一印象は「こりゃあ昭和だなあ!」。昭和で時間が止まっている感じです。古い椅子とテーブル、テレビが大きめの音で点いており、暖房は石油ストーブ、厨房の上一面にメニュー札がずらり。
 きちんと化粧を施した老女が淹れてくれた茶が濃くておいしい。

 短冊の中からカツ丼850円をチョイス。
 ほどなくして運ばれてきたカツ丼は、まさに大衆食堂のそれ。ルックスがいいではないか。

 カツが丼の表面全体を覆っています。カツの4/5は切った形そのまま中央に、また、カツの端っこの半円形の部分、つまりは脂の乗ったおいしい部分は空いたスペースに配されて、ごはんが見えなくなっている――というのが「大衆」である客を喜ばせる仕掛けになっているわけです。
 肉自体は厚いものではありませんが、今しがた厨房で揚げたものをすぐに使っているので、おいしい。
 どんつゆが独特。多分使っている醤油が違うのだろうと思いますが、濃い口のもののよう。しっかりした醤油味の後ろにうっすらとした砂糖の甘さが控えめに漂っていて、これはなかなかだぞ。
 こうして食べていると、カツ丼とは肉自体を味わうのではなく、肉、衣、卵、タマネギ、どんつゆ、ごはんの混然一体性を味わうものだという思いが強くなる。豚カツが食べたいのならとんかつ定食を食べればいいわけであって、カツ丼は店ごとに異なる構成要素の機微に喜びを感じながら豪快にかっ込むものなのだ。

 豆腐とワカメの味噌汁も、ダシの取り方が独特なのか、この店ならではの味わい。ワカメが緑色だというのもポイントが高い。
 漬物もたっぷりで、紅色のものは生姜だ。

 納得のカツ丼。
 いい食堂で、小さいながらこれまで続いてきたことの実力がうかがえました。
 しかしどうなのだろうな、この店も二人の代限りで終わってしまうのだろうか。この昭和チックで静かなたたずまいの店がいずれ失われてしまうのだとしたら、いかにも残念なことだ。